ラーニングピラミッドは根拠はないが嘘じゃない【教えることは学ぶこと】

ラーニングピラミッドは根拠はないが嘘ではない【教えることは学ぶこと】

教育業界でよく見聞きする「ラーニングピラミッド」というピラミッド型の図解があります。

アクティブラーニングの有効性を示す根拠として用いられることが多い一方で…

「ラーニングピラミッドは嘘だ!」
「ラーニングピラミッドには科学的根拠がない!信憑性もない!」

といった批判もよく見かけます。

ラーニングピラミッドは嘘なのでしょうか?それとも本当なのでしょうか?

結論を言えば、

ラーニングピラミッドは嘘ではない!

と明言しますし、ラーニングピラミッドの最上級である「人に教える」は、(使い方次第で)まさに最も学習効率の高い学習方法になると断言できます。

この記事では、ラーニングピラミッドの基本知識にはじまり、批判的な意見の根拠や、「嘘じゃない!」と明言する理由のほか…

ラーニングピラミッドを活かした最強の学習法や、そのベストな実践方法である“ブログの情報発信”のメリットについて詳しく解説していきます。

目次

ラーニングピラミッドとは?

ラーニングピラミッドとはアメリカ国立訓練研究所(National Training Laboratories、以後NTL)が公表した、具体的な学習方法と平均学習定着率の関係を図解したものになります。

次の図のように、能動的な学習方法であるほど、定着率が高まるとされています。ラーニングピラミッドとは?出典:nucba.ac.jp

学習方法と平均学習定着率の関係は次の通り。

・講義:5%
・読書:10%
・視聴覚:20%
・デモンストレーション:30%
・グループ討論:50%
・自ら体験する:75%
・人に教える:90%

【グループ討論~人に教える】の学習法は、積極的な参加を促す学習法「アクティブラーニング」と呼ばれています。

一番定着率の低い学習法が「講義(授業)を受けること」であり、わずか5%という数字には驚きではないでしょうか。これでは昔ながらの学校の勉強には、まったく意味がないということになります。

一方、「他の人に教えること」が一番定着率が高い学習法であり、実に90%という高い成果をあげていることにも驚きます。

ラーニングピラミッドは「受動的な学習よりも能動的な学習が優れている」というアクティブラーニングの有効性を示す根拠として用いられることも多いです。

ラーニングピラミッドに科学的根拠や信憑性はない

ラーニングピラミッドに科学的根拠や信憑性はない

しかし、そんなラーニングピラミッドには「科学的根拠や信憑性はない」といった批判も多いです。

分かりやすく批判が書かれているのが、南山大学の土屋耕治氏による「ラーニングピラミッドの誤謬」という論文で、ラーニングピラミッドの間違いや問題点について述べられています。

その中の1つが「学習定着率の数字には根拠がない」ということ。

ラーニングピラミッドの図を見て分かるように、学習定着率が5%~10%刻みの綺麗な数字になっていますが、その数字には根拠がないと論じています。

ラーニングピラミッドのモデルは

・アメリカ国立訓練研究所(NTL)のもの
・Daleの「経験の三角錐」

と考えられていますが、そのどちらにも数字や研究データが掲載されておらず、数値も階層の順序も実証的根拠のあるものではないと述べています。

また、アメリカ国立訓練研究所(NTL)の初期文献においては、ラーニングピラミッドの最下層に位置する「人に教える」という項目は存在していなかったことも指摘されています。

土屋氏は

別々の文脈で用いられていた図や数値がどこかで組み合わされ、階層の内容も順序も変化し、それがあたかも何かの調査に基づくかのように用いられていった、というのがラーニングピラミッドの真相のようです。

と説明されています。

また、学習効果に関しては「学習者や教師のレベル、環境の影響などが複雑に関連しあい、その内容や文脈によって異なること」は自明の理ですが、それが無視する形で使われていることを問題視しています。

こうしたことを事実とすると、

ラーニングピラミッドに科学的根拠や信憑性はない

と言えるでしょう。

でも「ラーニングピラミッドは嘘じゃない!」と明言できる理由

でも「ラーニングピラミッドは嘘じゃない!」と明言できる理由

しかしながら、ラーニングピラミッドには科学的根拠がないだけであり、「科学的根拠がない=嘘」とは言えないと考えています。

私はこのラーニングピラミッドを初めて教えてもらったとき、「え?そうなの!?」と驚きつつも、自然と受け入れることができました。

なぜなら、経験則的に「確かにその通りだ」と納得できてしまったからです。

学生時代、学校の授業が退屈で「教科書に書かれてることを淡々と進めるだけの授業に何の意味があるんだろう?」と感じたことのある人も多いかもしれません。

恐らく、授業の内容は、あまり頭に入ってこなかったのではないでしょうか。

また、本を一冊読み終わったとき「何が書いてあったんだっけ?」と、内容を思い出せない経験をした人も多いのではないでしょうか。

私たちは過去、「講義や読書の内容をすぐに忘れる=学習効率が悪い」という経験をたくさんしてきたのです。

それよりも、情報量の多い動画や音声の方が記憶に残りやすいし、身体を実際に動かす理科の実験・家庭科・フィールドワークなどの方が、学習定着率が高いことは肌感覚で納得できるはずです。

そして、人に教えようとした場合、内容を理解すると同時に、その事柄の背景や理由、重要点などを整理することが必要になります。こうして筋道を立てた知識は記憶に残りやすいため、学習定着率が高いのも当然だと考えられます。

このように、ラーニングピラミッドの学習定着率の数字については「科学的根拠はないし信憑性に欠けている」と評価できますが、それを除けばおおよそその通りであり…

ラーニングピラミッドは嘘ではない

ということは経験則的に分かっていただけるでしょう。

学習方法によって優劣を付けるのは間違いであり大きな問題!

ここで注意したいのは、ラーニングピラミッドは嘘ではないとは言っても、「学習方法によって優劣は付けられないし、優劣を付ける意味もない」ということ。

ケースバイケースで読書がベストなときもあれば、グループ討論がベストなこともあるのです。

それを、「講義や読書よりもアクティブラーニングの方が優れている」のような先入観を植え付けるような方法で、ラーニングピラミッドを誤認させてしまうことは大きな問題だと考えています。

「人に教える」についても、他の学習方法による学んだという前提があって、初めて人に教えることができます。

結局は、ケースバイケースで、いろんな角度でいろんな方法で学ぶのが自然だということです。

人に教える前提で多角的に学ぶことが最強の学習法!「教えることは学ぶこと」

「教えることは学ぶこと!」人に教える前提で多角的に学ぶことが最強の学習法

ラーニングピラミッドには7つの階層がありますが、結局は「どれが優れている・どれが優れていない」と考えるのではなく、学びの文脈によってケースバイケースで上手く組み合わせるのが生産的な考え方でしょう。

そして、学習定着率を最大限高めるために、すべての学習を「教えること」を前提にすることをオススメします。その理由は以下の通りです。

人に教えることを“意識して”学ぶだけで学習効率がアップする

ある研究では、被験者を2つのグループに分けて、

・グループA:覚えた情報をテストする。
・グループB:覚えた情報を別の人に教えなければならない。

と伝えました。

実際には、どちらのグループも、覚えた情報のテストを受け、別の人に教えることはしませんでした。

それでも、グループB(教えなければならない側)の被験者のほうが、テストで良い結果を出したのです。

この研究を行ったJohn Nestojko博士によれば、この研究結果は、学習前や学習中の被験者の心構え次第で、新しい情報の学習効率に大きな違いが出る可能性を示しているそうです。

つまり、

人に教えることを“意識して”学ぶだけで学習効率がアップする

ということ。意識だけの問題ですので、誰でもすぐに実践できることでしょう。

「教えることは学ぶこと!」人に教えることが一番の自分の学びになる

あなたは過去、

「人に教えようとしたけど、全然言葉が出てこない。言語化できない。」
「分かっているのに、思い通りに教えられない。」

といった経験をしたことはありませんか?

なぜそうなってしまうのかと言えば…

・分かっているつもりになっているだけ。
・本当に深いところまで分かっていない。
・自分の中できちんと整理できていない。
・知識が不足している。
・学びが腹に落ちていない。

これらが原因として挙げられるでしょう。

だからこそ本気で人に教えようと思ったら、

・講義を聞いたり、講義復習をする。
・分からないことは先生に質問する。
・読書をする。本から学びを得る。
・関連するDVDや音声、YouTube動画などで学ぶ。
・指導者に実践して見せてもらう。
・自分以外の人の考えも参考にする。
・実際に体験し、自分自身で検証する。

などなど、「講義・読書・視聴覚・デモンストレーション・グループ討論・自ら体験する」といった、「人に教える」以外の学習方法によって学びを深め、腹に落とし、相手に伝わるよう情報を整理していくことが求められます。

結果、他の誰よりも一番に自分が学ぶことになるのです。

Dum docent discunt.(人は教える間、学んでいる)というラテン語があります。英語では、To teach is to learn.(教えることは学ぶこと)と言われます。

教えることは学ぶこと

というわけで、「人に教える前提で多角的に学ぶことが最強の学習法である」と自信をもって言いたいです。

「人に教える」オススメ方法はブログの情報発信!3つのメリットとは?

「人に教える」オススメ方法はブログの情報発信!3つのメリットとは?

学習したことを人に教える方法はいろいろとありますが、その中でも「ブログを書くこと」は簡単かつ、メリットの多い実践方法だと思います。ここでは3つのメリットに絞ってご紹介します。

①「書き手の自分⇔読み手の自分」の関係性でレベルアップ

まず、ブログを書くことは、自分自身がいつでも「読み手」になれるという利点があります。

「書き手の自分が読み手の自分に教える」というやり方で、「教える・学ぶ」の関係を自分の中で実現することができるのです。

書き手の自分読み手の自分に分かりやすく情報を伝え、理解し、満足してもらうために創意工夫をします。
読み手の自分知的好奇心を持ち、純粋にブログの文章から学びを得ようとします。分かりにくい点などはズバズバ指摘します。

書き手の自分と読み手の自分を行き来し、加筆修正を加えていくことで、より分かりやすく整理された文章にレベルアップしていくでしょう。

このように詩や文章をよくしようと何度も考え、作り直して、苦心することを【推敲(すいこう)】と言います。

推敲された文章はブログ記事として残りますので、スマホ1つあればいつでもどこでも復習することができるのも嬉しいメリットです。ある意味、辞書的な役割を果たしてくれるのです。

②不特定多数の人が見るのでより本気になれる

ブログで情報発信する場合、日本全国、内容によっては世界規模でブログが閲覧されることになります。

そう考えると、うかつに適当な情報発信はできません。

・より分かりやすく伝えるにはどうしたら良いか?
・間違った表現方法や言葉の使い方をしてないだろうか?
・スラスラ読めるだろうか?
・情報は十分だろうか?過多になってないだろうか?

などなど、試行錯誤を重ねながら、記事のクオリティを高める努力をするようになるものです。

より本気度の高いアウトプット(=人に教えること)ができるようになるはずです。

③ブログで収益化できる、資産化する可能性もアリ

ブログの情報発信によって「分かりやすく人に教えること」は、実はとてつもない価値があります。

どんな価値があるのかと言えば、【学びやお悩み解消のショートカット】という価値です。

ぜひ、今、あなたに覚えておいて欲しいことが「人は皆忙しい」ということ。暇そうに見える人でも、本人の感覚では忙しいのです。

だからこそ、人は皆、なるべくお手軽に学びたいし、なるべく手間暇かけずにお悩みを解消したいと思っています。

だから、あなたが時間をかけて「調べたこと」「学んだこと」「解決してきたこと」を、整理して分かりやすく教えてあげることには、大きな価値が生まれるのです。

あなたのブログに人が集まり(アクセスアップし)、収益化していける道が開けていくし、長期的に運営していくことで資産価値も生まれてきます。

自分自身の学びになりつつ、「人に喜ばれながらお金も得られること」は別の意味でとても魅力的に感じるのではないでしょうか。いつか、あなたのライフワークになる可能性も秘めていますね。

ライフワークについては、次の記事をご参照ください。

(+α)ブログには他にもたくさんのメリットがある

次の記事でブログのメリットについて詳しく解説しています。

メリットの項目のみ抜粋すると次の通りです。

<ブログの14のメリット>

① 誰でも気軽に始められる
② 自分の経験・趣味・好きなことで収益化できる
③ 時間と場所に縛られずにお金を稼げる
④ 本名や顔を出さなくてもOK!ペンネームで稼げる
⑤ リスクが最小限!お金がほとんどかからない
⑥ 失敗しても何度でもやり直せる
⑦ 本業に悪い影響を及ぼすリスクが低い
⑧ インプットの質が劇的に向上!日常を生きる意識が変わる
⑨ 高い視座、俯瞰した視点が育つ
⑩ コミュニケーション能力アップ!人間関係が良くなる!
⑪ 学びの効率化!自分の知識や能力がどんどん向上する
⑫ ネットで稼ぐ総合力・マーケティング力が身につく
⑬ 自分の分身として働いてくれる!資産化する
⑭ 名刺代わりになる!ブランディングに効果的

以上のようなことから、ブログの情報発信は「人に教えること」の一番簡単&メリット大の実践方法だと確信していますし、ぜひあなたにも実践して欲しいと思っています。

まとめ~ブログを書いて、ラーニングピラミッドの「人に教える」練習をしましょう!

以上、ラーニングピラミッドが本当なのか?嘘なのか?ということを、多角的に詳しく解説してきました。

ラーニングピラミッドに科学的根拠や信憑性はないのは確かですが、だからといって完全に嘘とは言えません。

私たちは経験則的に「ラーニングピラミッドがおおむね正しい」ということを知っています。だからこそ、これだけ世の中に受け入れられているのでしょう。

しかし、だからと言って「講義や読書よりもアクティブラーニングの方が優れいてる」のような優劣を付ける考え方は間違っているし、その誤った認識が広まらないように注意したいところです。

結局のところ

・講義
・読書
・視聴覚
・デモンストレーション
・グループ討論
・自ら体験する
・人に教える

というラーニングピラミッドの要素はすべて大切であり、学びの文脈によってケースバイケースで上手く組み合わせるのが生産的な考え方です。

その中でも「人に教える」はやはり別格の位置づけで、「教えることは学ぶこと!」という言葉があるように…

人に教える前提で多角的に学ぶことが最強の学習法

だと考えています。

そして、「人に教える」ベストな実践方法が、ブログの情報発信です。

情報を整理し論理的に教えるスキルが身に付きますし、やればやるほどクオリティの高い記事が積み重なると同時に、マネタイズもできるようになってきます。

いずれは半永続的に収入を生み出す資産になってくれる可能性もあるでしょう。

正直、ブログ運営にはメリットばかりなので、ぜひ実践していただけたらと思います。もしブログにご興味があれば、次の記事も参考になるでしょう。

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