日本の伝統礼法から導く!神棚にお札が入らない時の対処法
「神宮大麻が大きすぎて神棚に入らない!」
「神宮大麻は入るけど、他のお札が入らない!」
「剣祓や角祓などの授与大麻が入らない!」
「横に置くなら、右側がいい?それとも左側?」
「お札が入らないときは折り曲げていい?」
などなど、「神棚にお札が入らない!」という状況になって、どうしたら良いのかお困りの方も多いようです。
結論を言えば「絶対的な決まりはない」のですが、「基本的な考え方や日本の伝統礼法からすると、こうした方が良い」という並べ方があります。
この記事では、神棚にお札が入らない「よくあるパターン」における、並べ方や対処法について詳しくお伝えします。
目次
神棚のお札の並べ方の基本
神棚のお札の並べ方については、次の記事に詳しく書きましたが、ここでは軽くおさらいしておきましょう。
まず大まかではありますが、お札の種類は「格」の上位順に次の4種類があります。
①伊勢神宮のお札(=神宮大麻)
②氏神(産土)神社のお札
③崇敬している神社のお札
④その他、参拝した神社のお札
それぞれのお札の並べ方は、神棚の宮型のタイプ(三社造りか一社造りか)によって、次のように定められています。
三社造りの場合
・真ん中:①神宮大麻
・向かって右:②氏神(産土)神社のお札
・向かって左:③崇敬神社のお札
※「④参拝した神社のお札」は、崇敬神社のお札の後ろに重ねてお祀りします。
一社造りの場合
・手前から:①神宮大麻
・その後ろ:②氏神(産土)神社のお札
・その後ろ:③崇敬神社のお札
※「④参拝した神社のお札」は、崇敬神社のお札の後ろに重ねてお祀りします。
以上が、神棚のお札の並べ方の基本となります。
神棚にお札が入らない時の基本的な考え方とは?
神社本庁のHPでは、神棚にお札が入らない時の対処法を次のように説明しています。
お神札の数が増えて、宮形にお納めすることができなくなったときや、宮形に入らない大きさのお神札は、宮形の横に丁寧に並べておまつりします。
このようにかなり簡易的な説明であって、「特別に細かな形式はない」ことを意味していますが、自分のケースにおいてどうしたら良いかお悩みの方も多いでしょう。
そこで次に、「神棚にお札が入らない」よくあるパターンについて、どのようにお札を置いたら良いのか解説します。
三社造りの神棚にお札が入らない時の並べ方・対処法
パターン1.三社造りの神棚で中央の「神宮大麻」が入らない!
三社造りの神棚の中央には「神宮大麻」をお祀りしますが、神宮大麻にも「神宮大麻・神宮中大麻・神宮大大麻」のように、複数の種類があります。
本来は、神棚に納まるサイズのお札を選ぶと良いのですが、間違えて神棚に納まらないお札を選んでしまうこともあるでしょう。
そんなときは、神棚中央(神宮大麻を入れる場所)の扉の前に立てかけてください。
「中に入らないから、扉の前に置く」ということです。
お札の下に半紙を敷いておくと、より丁寧にお祀りできるでしょう。
パターン2.三社造りの神棚で伊勢神宮の「授与大麻」が入らない!
全国に広く頒布される神宮大麻とは別に、「授与大麻」といって、伊勢神宮にお参りに行った人のみがいただけるお札があります。剣祓(けんばらい)、角祓(かくばらい)、神楽大麻(かぐらたいま)、御饌大麻(みけたいま)などがあります。
パターン3.三社造りの神棚で左右の氏神神社や崇敬神社のお札が入らない!
一般的に、神宮大麻の大きさは「縦24.5×横6.8cm」です。そのほかの神社で受けるお札の大きさも、同じくらいのサイズです。
ホームセンターなどで販売されているような三社造りの神棚の多くは、少なくとも「真ん中」の扉については、このサイズのお札が納められるように作られています。
しかし、左右の扉の中は小さい設計になっていて、「縦24.5×横6.8cm」のお札が収納不可能なこともあるのです。
「神宮大麻」は入るけど、「氏神(産土)神社のお札」や「崇敬神社のお札」が入らないということ。
実は、「神棚にお札が入らない!」というケースにおいて、一番多いのがこのパターンだそうです。
このような場合、
・氏神(産土)神社のお札→宮形の横【右側】
・崇敬神社のお札→宮形の横【左側】
このように、宮形の横に置くのが1つの方法です。
しかし、それだと神棚がごちゃごちゃしてスッキリしないと感じるかもしれません。
神宮大麻は納まっていますが、その他のお札が剥きだしですから。神棚の大きさによっては、スペースが足らなくなってしまうでしょう。
ですので、「一社造りの要領で重ねて中央にお祀りする」という方法がオススメです。
三社造りの真ん中である神宮大麻を入れる場所に
・手前から:神宮大麻
・その後ろ:氏神(産土)神社のお札
・その後ろ:崇敬神社のお札
・その後ろ:参拝した神社のお札
このように重ねてお祀りするということ。
大きさ的に納まるものは指定の箇所に入れて、納まらないお札のみ真ん中に重ねましょう。
※お札は「神さまの分霊でもあり神さまの力を宿したもの」です。
神棚に無理やり入れようとして、折り曲げることのないようご注意ください。
一社造りの神棚にお札が入らない時の並べ方・対処法
パターン4.一社造りの神棚で「神宮大麻」が入らない!
一社造りの神棚で神宮大麻が入らない場合は、
1.神宮大麻を宮形の正面に立てかける。
2.ほかのお札は通常通り。神棚に重ねて入れる。
という形でお祀りしましょう。
・その後ろ:崇敬神社のお札
・その後ろ:参拝した神社のお札
という基本の順番通りになります。
パターン5.一社造りの神棚で伊勢神宮の「授与大麻」が入らない!
三社造りの神棚のときと同様に、神社本庁のHPに書かれているように「宮形に入らない大きさのお神札は、宮形の横に丁寧に並べておまつりする」という形で良いでしょう。
このとき、神棚の右側が良いのか?左側が良いのか?で悩まれる方もいらっしゃるようです。ヒントとなるべく、左右の「位」のことを簡単に説明します。
※左右の「位」のこと~どっちが上座でどっちが下座?
「左上右下(さじょう・うげ)」という言葉があります。日本の伝統礼法の一つで「左を上位、右を下位」とする「左上位」のしきたりのことです。
出典:nikkei.com
あくまでも並ぶ当事者から見て左側が上位です。
向かい合っている人から見たら、逆になります。
・天皇から見て左側に格上の左大臣、右側に格下の右大臣が立つ。
・国会議事堂は、真ん中の中央塔から見て左側に貴族院の流れをくむ参議院を配置。
・舞台の左側(客席から見ると右側)を「上手」、右側を「下手」と呼ぶ。
なども、左上位に基づいています。
古事記でも、イザナキの左目から天照大御神(伊勢神宮で祀られている太陽神)が生まれたとされる一節があることからも、「左上位」ということが分かります。
一方、西洋では、英語で右を「正しい」の意味がある「right」と言うように、日本とは逆に「右を上位、左を下位」とする「右上位」が基本です。外交などの国際舞台でも右上位がマナーとして定着しています。
国際社会の現代において、日本でも「右上位」を取り入れていますが、本来は「左上位」が基本にあったと見受けられます。
ですので、
神棚に入らないお札を「右側に置いたら良いのか?左側に置いたら良いのか?」を考えるときには、日本の「左上右下(さじょう・うげ)」という考え方に基づいて決めたら良いでしょう。
(※あくまで1つの考え方であって、決まりではありません)
「授与大麻」も「神宮大麻」も同じ伊勢神宮のお札です。同格だと考えると、「授与大麻」が入らない場合は、右側に立てかけても左側でもどちらでも良いかと考えられます。
パターン6.一社造りの神棚で氏神神社や崇敬神社のお札が入らない!
一社造りの神棚で、氏神神社と崇敬神社の両方のお札が入らない場合は、三社造りと同様の並びで左右に立てかけたら良いでしょう。
・宮形の中:神宮大麻
・宮形の右側:氏神(産土)神社のお札
・宮形の左側:崇敬神社のお札
ということです。
どちらか一方だけが神棚に入らない場合は、
・宮形
・宮形に入らないお札
の2つになるため、「左上位」の考え方を用いるなら、
向かって右が「宮形」で、向かって左が「宮形に入らないお札」
となります。
お札の下にはいずれも半紙を敷くと丁寧です。
まとめ
以上、神棚にお札が入らない「よくあるパターン」についての、並べ方や対処法について詳しくお伝えしました。
基本的な考え方は、
お神札の数が増えて、宮形にお納めすることができなくなったときや、宮形に入らない大きさのお神札は、宮形の横に丁寧に並べておまつりします。
というように「細かな決まりはない」ことが分かります。
あとは、「三社造りの基本的な並べ方」「一社造りの基本的な並べ方」を軸とし、日本の伝統礼法の一つ「左を上位、右を下位」とする「左上位」の考え方を取り入れて配置したら良いでしょう。
神棚をお祀りする上で一番大切なことは「神様を大切にする氣持ち」です。
神棚を大切にし、神様への感謝の心で日々お参りするなら、あまり細かなことにこだわる必要はありません。当記事の内容は、あくまで参考程度にとどめていただけましたら幸いです。
※神棚の正しい祀り方や作法について、次の記事でより詳しく解説しています。神棚に関するほとんどの疑問を解消できるでしょう。
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