神棚のお札の並べ方~複数(2枚/3枚/4枚以上)の時の順番は?

神棚のお札の並べ方~複数(2枚/3枚/4枚以上)の時の並べ方は?

「神棚にお札(神札)を4枚お祀りしたいけど、並べ方がわからない」

このように「複数枚のお札がある」場合における“神棚のお札の並べ方”について、お悩みの方はとても多いようです。

お札といえば、

①神宮大麻~伊勢神宮のお札
②氏神(産土)神社のお札
③崇敬神社のお札

などが基本ですが、伊勢神宮外宮のお札や、ご利益をいただきたくて参拝した神社のお札をお祀りしたいこともあるでしょう。

神様には「格」というものがあり、それに準じた並べ方があります。間違った並べ方をすることは、神様への失礼にあたりますから注意が必要です。

この記事では、2枚以上のお札の祀り方、並べ方の順番について、画像なども交えながら詳しく解説していきます。

※お札は「お神札(おふだ)」「神符(しんぷ)」ともいわれますが、当メディアでは、読者さんが馴染みやすい「お札」に統一しています。
※お札は「枚(まい)」ではなく「体(たい)」が正しい数え方です。お札は「神さまの力を宿したもの」であり、単なる紙ではないからです。ここでは分かりやすく「枚」を使っています。

目次

神様には「格」がある!お札の「種類」と「格」について

神様には「格」がある!お札の「種類」と「格」について

お札は主に次の3種類に分けることができます。

①神宮大麻

日本人の総氏神様である「天照大御神」をお祀りする伊勢神宮のお札。神宮大麻(じんぐうたいま)といいます。総氏神様であることからも分かるように、「格」は神宮大麻が最上位となります。

②氏神(産土)神社のお札

土地やそこに住む人々を守ってくれる「お住まいの地域の神社」のお札。古くは氏性が同じ一族(藤原家など)に縁の深い神様を祀るのが「氏神(うじがみ)神社」、土着の神様を祀るのが「産土(うぶすな)神社」と区別されていました。今では「地域の神社=氏神神社」と認識されることが多いです。

「格」は、地域を守ってくれる氏神(産土)神社のお札が二番目となります。

※氏神(産土)神社についての詳しい知識は次の記事でお伝えしています。「産土の神様ってスゴい!」と思っていただけるでしょう。

③崇敬神社のお札

上記以外で、個人的に崇敬する神社のお札。ご縁があって参拝した神社や、ご利益を求めて参拝した神社のお札など。「格」は、三番目となります。

崇敬神社のお札が複数枚ある場合、格付けするのはおこがましいことですが、「自分にとって優先したいのはどの神様なのか?」という基準で考えてみたら良いでしょう。

私たちが一番お世話になっているのが

・日本全体をお守りくださる天照大御神様
・今お住まいの地域をお守りくださる氏神(産土神)様

ですので、まず「神宮大麻」「氏神(産土)神社のお札」の両方をお祀りするのが基本となります。

お札の「種類」と「格」を認識しておくことで、神棚のお札の並べ方も分かりやすくなります。具体的な並べ方を次にご紹介します。

神棚のお札の並べ方の基本ポイント(3枚または4枚以上)

神棚のお札の並べ方の基本ポイント(3枚または4枚以上)

正確には、お札をお祀りする棚(土台となる板)が「神棚」、お札を納めるお宮を模した入れ物が「宮形(みやがた」になりますが、ここでは神棚と宮形を区別せずに表現することにします。

神棚(宮形)には「三社造り」「一社造り」があり、どちらなのかによってお札の並べ方は変わります。

まず、神棚のお札の並べ方の基本について、神社本庁のHPで記載されている内容をもとにご紹介します。

お神札をまつる御神座の順位は、中央を最上位とし、次が向かって右、その次が向かって左になります。

三社造りの宮形では、中央に日本人の総氏神さまである伊勢の神宮のお神札(神宮大麻)を、向かって右に地元の氏神さまのお神札を、向かって左に崇敬している神社のお神札をお納めします。その他に、神社にお参りをされた際に受けたお神札は、向かって左におまつりした崇敬神社のお神札の後ろに重ねてお納めするとよいでしょう。

一社造りの宮形の場合は、神宮大麻を一番手前に、その後ろに氏神さま、その後ろに崇敬する神社のお神札を重ねてお納めします。その他に、神社にお参りをされた際に受けたお神札は、更に後ろに重ねてお納めするとよいでしょう。

お神札の数が増えて、宮形にお納めすることができなくなったときや、宮形に入らない大きさのお神札は、宮形の横に丁寧に並べておまつりします。

また、宮形を用いずにおまつりする場合も上記にならって丁重におまつりします。

神社本庁では、以上のように説明されています。

説明に登場するお札は、「格」の上位順に次の4種類。

①伊勢神宮のお札(=神宮大麻)
②氏神(産土)神社のお札
③崇敬している神社のお札
④その他、参拝した神社のお札
(※崇敬神社や参拝神社のお札は、何枚あっても問題ありません。)

わかりやすく図解解説します。
次の画像のような位置、順番に並べることとしています。

三社造りの場合

三社造りの場合

・真ん中:神宮大麻
・向かって右:氏神(産土)神社のお札
・向かって左:崇敬神社のお札

「④その他、参拝した神社のお札」は「崇敬神社のお札」の後ろに重ねてお祀りします。

一社造りの場合

一社造りの場合

・手前から:神宮大麻
・その後ろ:氏神(産土)神社のお札
・その後ろ:崇敬神社のお札

「④その他、参拝した神社のお札」は、さらに「崇敬神社のお札」の後ろに重ねてお祀りします。

※「④その他、参拝した神社のお札」を「崇敬神社のお札」の後ろに重ねていくのは共通していますね。お札の枚数が3枚4枚と増えても、崇敬神社のお札の後ろにどんどん重ねていくことになります。

増えすぎて神棚(宮形)に納めきれなくなった場合は、神棚(宮形)の横に立てかけて並べたら良いでしょう。

また、神棚(宮形)に納まらない大きさのお札も、同様に、神棚(宮形)の横に丁寧に並べてお祀りする形となります。

伊勢神宮の「内宮」と「外宮」のお札がある場合の並べ方は?

伊勢神宮の「内宮」と「外宮」のお札がある場合の並べ方は?

伊勢神宮には「皇大神宮(内宮)」「豊受大神宮(外宮)」があり、共に参拝されることが良いとされています。まずは外宮にお参りし、次に内宮にお参りするのが基本スタイルとなります。

内宮では「天照大御神」、外宮では「豊受大御神」をお祀りしています。

内宮と外宮のお札がある場合、内宮の神宮大麻(皇大神宮)の後ろに外宮の豊受大神宮を重ねてお祀りします。

皇大神宮と豊受大神宮のお札の並べ方

三社造りでは、真ん中の神宮大麻の後ろに重ねます。

一社造りでは、手前から、「内宮の神宮大麻(皇大神宮)→外宮の豊受大神宮→氏神(産土)神社→崇敬神社→参拝神社」の順で重ねてお祀りしましょう。

わかりやすく言えば、

・皇大神宮(内宮)
・豊受大神宮(外宮)
セットで扱うということ。

天照大御神が「自分一人では食事が安らかにできないので、丹波国の比治の真奈井にいる御饌の神、等由気太神(とゆけおおかみ)を近くに呼び寄せなさい」と言われたので、豊受大御神を外宮に祀るようになったとされています。

「天照大御神をそっと助ける存在が豊受大御神」というイメージからも、お札をセットで扱うのが自然であることがわかるでしょう。

【2枚のとき】神棚のお札の並べ方

【2枚のとき】神棚のお札の並べ方

お札が2枚のケースにおいては、「神棚があるパターン」と「神棚がないパターン」もあると思いますが、ここでは神棚があるパターンに限定してお伝えします。

「神棚はないけどお札だけあるパターン」については、次の記事で詳しく解説しています。

三社造りの場合

神棚(宮形)は三社造りだけど、お札は2枚だけというパターンもあるかと思います。その場合は、三社造りの基本的な配置に倣ってお祀りしましょう。

三社造りの場合

・真ん中:神宮大麻
・向かって右:氏神(産土)神社のお札
・向かって左:崇敬神社のお札

画像のとおり定められているポジションにお納めします。

例えば、「神宮大麻」「氏神(産土)神社」の2枚であれば、真ん中が神宮大麻で、向かって右が氏神(産土)神社のお札となります。左の、崇敬神社のポジションは空けておきます。

「神宮大麻」「崇敬神社」の2枚であれば、真ん中が神宮大麻で、向かって左が崇敬神社のお札となります。右の、氏神(産土)神社のポジションは空けておきます。

「内宮」「外宮」の2枚であれば、内宮の神宮大麻(皇大神宮)の後ろに外宮の豊受大神宮を重ねてお祀りします。左右のポジションは空けておきます。

一社造りの場合

一社造りの場合は、手前から神様の「格」の順番に並べれば良いでしょう。

まとめ~神棚にはお札を正しく並べて、神様をお祀りしましょう

以上、2枚以上お札があるケースにおける「神棚へのお札の祀り方、並べ方」について、詳しく解説しました。

お札の種類は「格」の上位順に次の4種類。

①伊勢神宮のお札(=神宮大麻)
…外宮の豊受大神宮のお札
(あれば神宮大麻とセットで)
②氏神(産土)神社のお札
③崇敬している神社のお札
④その他、参拝した神社のお札

そして、神様(宮型)は「三社造り」と「一社造り」があり、お札の並べ方の配置や順番が決まっているということでした。それをしっかり認識しておけば、複数枚ある場合もお札の並べ方で迷うことはないでしょう。

記事の内容を参考に神棚にお札を正しく並べて、日々感謝の心で神様をお祀りしましょう。

ちなみに、

「神棚にお札が入らない!」

そんなときは次の記事をご参照下さい。

※神棚の正しい祀り方や作法について、次の記事でより詳しく解説しています。神棚に関するほとんどの疑問を解消できるでしょう。

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